八朔
2008年7月28日
八月朔日(ついたち)を略して「八朔はっさく」といい、この頃 早稲の稲穂が実るので、
古く農民の間では初穂を恩人に送る習わしから 田実(たのみ)の節句、田面(たおも)
の節句とも申します。この日には米団子を作って田の実なりを賀したり、厄除けと称し
て桃を食べる日でもあったようでございます。また 武家では「たのみ」を「頼み」にか
け、日頃お世話になっている頼み合っている人に、その恩を感謝する意味で贈り物を
するようになったようで「御中元」の始まりとも云われ、夏のお正月の意味合いも含ん
でおるようです。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「八朔」をテーマとして
八朔泣豆真薯、鱸たで味噌焼き、はも柳川煮
厄除け桃の胡麻密だれ、瓜雷干し笹身風干し酢
田の実団子汁、 お口すすぎは いり米 でございます。
この日、宮島では藁で編んだ田面船を作り人形を乗せて海へ流し、対岸の大野町で
は流れ着いたこれを拾いあげて田の畦に埋めると豊作になるとしたそうで、八朔の日
から夏の昼寝をやめて、この夜から夜なべ仕事をする切り替えの日でもあり、立秋を
前にして夏が過ぎると云う意もあり、秋ともなれば「夜なべ仕事が待つとる」のと泣き
べそかきながら「八朔泣豆真薯」を食べて田実の節句を賀し、古人は季節のくぎり
節目を大事にしたようでございます。早いものですね。八月七日には 「立秋」を迎え、
暦の上では秋となります。
蓮見
2008年7月22日
夏の盛りに、香りある美しい花をつける蓮の花弁は、十六枚が普通で朝開いて
夕方閉じるを三日繰り返し四日目には散ってしまいます。暁闇を破って "ぽん
ぽん"と音がするが如くに咲く蓮の花は、一瞬の気高い薫りに酔い、浮葉巻葉の
間から先き競う蒼々たる花を賞する蓮見の風流心。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「蓮見」をテーマとして
心太蓮葉酢、新蓮根せんべいおなす鰊
蓮芋と椎茸のあいまぜ、地鶏ずんだ焼き
じゅんさい梅汁、 お口すすぎは 蓮茎 でございます。
古人は早朝に蓮を愛でて涼をとるなどと その風流心をお持ちのようでしたが、
現代人の私達は中々そのゆとりもなく、蓮畑も身近には消えつつありますね。
せめて今週の爐談亭では、畳一畳の蓮畑を設え一服の涼を差し上げたく存じます。
この蓮花&蓮葉は岩国から取り寄せましたもので、夜咲くはずもない蓮花は亭主独自
の手法で咲かせたものでございます。本日22日(火)から 27日(土)まで 日々移り
替わる蓮花と、風流「象鼻酒」を心行くまで お楽しみ下されば嬉しゅうございます。
土用
2008年7月14日
土用は四季ともにありますが、通常は夏の土用。今年は七月十九日の「土用の入り」
から十八日間を申します。中でも二十四日の「丑の日」が重視され、うどん,梅漬け,
牛馬など"う"の付くものを食べた風習に夏の活力源の食べ物として「鰻」が、乗じた
ものでしょう。これは江戸時代中期に鰻屋が、奇才と云われる平賀源内に宣伝依頼
し評判定着したと云われており、他には土用蜆を食べたり、土用灸をすえたり習慣も
あるそうですよ。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「土用」をテーマとして
土用鰻蒲焼もどき、家猪とごぼう梅煮、うざく酢
馬そぼろと蓮芋のずんだ和え、焼茄子胡麻豆腐
土用しじみ汁、お口すすぎは 梅薫茶 でございます。
そもそもは邪気除災の行事を行われたのが土用丑の日なのですが、暑い盛りの時期
を乗り切る為の古人の知恵でございましょう。さて来週の夏の花歳事記「蓮見」では、
畳一条の蓮花葉を配し、蓮花の薫りと風流"象鼻酒"などお楽しみ頂き 「一服の涼」を
差し上げたく存じます。 詳しくは、イベントのご案内 「蓮見」 をご覧下さいませ。
蓮見の宴
2008年7月12日
蓮見の宴 [ 7月22日(火)より 26日(土)まで ]
夏の盛りに 「一服の涼」 を差し上げたく存じます。

日毎に暑さが激しさを増す季節ともなれば
人の心もなえがちともなり、食欲をも衰えはじめます。
私たち酒徒も蓮見と洒落込んで、この暑さを酒の肴にするくらいの
心のゆとりを持ちたいものでございますね。
今年も、亭内中央の欅板の間に 畳一畳の蓮畑を設し
毎年恒例の「蓮見と象鼻酒」をお楽しみ頂きます。

象鼻酒 とは、蓮の茎には蓮根と同じ穴が開いており、蓮の葉を
漏斗代わりに冷酒を注ぎ、茎から滴れ流れ出る清涼感溢れる蓮香の
薫る酒を爽やかに味わい、涼しさを楽しみむものでございます。
その姿が、象の鼻に似ている所から「象鼻杯」とも云われ、
3世紀頃の古代中国では象鼻酒を飲めば3年寿命が延びるとし、
客をもてなす最高の味わい方とされました。
今年も 風流「象鼻酒」を ご用意致し お待ち申しております。
七夕
2008年7月07日
五節句の一つに数えられる七夕祭は星を祭る行事として
中国の後漢の頃に端を発し、日本に入ってきたのは奈良時代で、
『日本書紀』によれば持統天皇の5年(691年)に宮廷で七夕の宴が
催されたのが、七夕祭りの始まりと云われます。
天の川の両岸をはさみ牽牛星(ひこ星)と織女星(おり姫星)とが
年に一度の逢瀬を許されたが、もしこの夜が雨となって
天の川の水嵩が増して渡れないときには、鵲(かささぎ)が両羽を
ひろげて橋となり、織姫を渡してやると云う伝説により、
七月七日には両星を祭る風習が江戸時代より盛んになったそうでございます。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「七夕の節句」をテーマとして
天の川茶豆腐、夏鴨と里芋の甲州煮
願いの糸瓜、笹舟小鯵酢、七色酒菜
はも茄子味噌汁、お口すすぎは , 青しそ でございます。
願い事を短冊にしたため笹竹に結び七夕流しに興じた子供の頃を思い出し、
いにしえの恋物語に思いを馳せながら、夏の一夜を閑かに心遊ばせて、
ひと筆いかがでございましょうか...
涼舟
2008年7月01日
そろそろ梅雨が去り初蝉が聞える頃ともなれば、暑さを避けて夜気に涼味を
求めたくなる時節ともなります。夏の夜の涼味といえば鵜飼や納涼船そして
屋形船の海や川の舟遊びも そのひとつでございましょう。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「涼舟」をテーマとして
鮎の笹焼き、鬼灯琥珀玉子、川風豆腐
うるか葛きり和え、あなご胡瓜なます
冬瓜冷や汁、お口すすぎは 青柚子茶 でございます。
水の上を渡ってくる風は涼しく、ボート遊びや、水遊びに、にぎわう昼間の騒々しさ
にくらべて、赤いほうずき提灯をつるした屋形船の時々船縁を打つ竿の音が辺りの
静けさをいっそう感じさせます。 しのぎにくい夏の夜を舟遊びに出掛けてみては
いかがでしょうか? 思い出に残る夏の夜の涼味となるのではと思います。
今週は、舟遊びの山郷料理でございます。






