野分
2008年8月25日
野分(のわけ、のわき)とは、立春から数えて二百十日頃、今年は8月31日にあたり
ます。昔から二百十日を中心に台風がやって来ると申しますが、また来て欲しくない
ものです。古くは台風と云う用語はなかったようで、風が野を吹き分ける秋の強風の
意で、台風を含めて秋の強風は すべて「野分」と申しておりましたようです。でも
台風がやって来たから、これを食べましょうよ!と云う約束事は無論ありませんで、
秋の気配が漂い始める野分の頃の 山郷料理をお楽しみ頂ければと思います。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「野分」をテーマとして
秋味の野分け焼き、大徳寺麩と独活のべっこう炊き
秋茄子と穴子のずんだ和え、湿地胡麻豆腐の猪山家葛あん
ごんぼう煎餅、名残り鱧と茗荷の味噌汁、 お口すすぎは 梨 でございます。
さて、台風ともなると「猪もともに吹かるる野分かな」(芭蕉)などと、呑気に構えて
おられません。一雨ごとに朝夕の冷気が深まり、台風一過の澄み切った秋空を
見上げておりますと「いよいよ酒と肴の旨さも深まる」などと思うのも私たち酒従の
楽しみでもございますが、今年は台風も来ませんし、まだまだ残暑は暫らく続き
そうですね。
新涼
2008年8月18日
立秋そしてお盆も過ぎた初秋に 天地すべてが、涼気が帯びて来るのを申しますが、
日中は まだまだ残暑殊の外きびしく、昨日の雨のせいか 朝夕何んとのう涼しく、
しのぎやすくなった今日この頃「涼し」とするのは 暑さあってこその季語「新涼」では
ないでしょうか。 「 秋涼し 手毎にむけや 瓜茄子 」 芭蕉
今週の初の膳 酒の肴膳は、「新涼」をテーマとして
鮎の名残り焼き、茄子の猪飛騨味噌煮 ちりめん覚弥、
百合根鴨まんじゅう、茗荷梅かつを青紫蘇巻き
蕎麦米汁、 お口すすぎは 山家実山椒 でございます。
今年の八月も日毎連続の暑い毎日でいささか私たちの体が、すがすがしい秋を待ち
わびております。今週は過ぎ行く夏の素材にて夏の名残りの「食欲増進 山里料理」
と致しました。
送り火
2008年8月11日
送り火は、盂蘭盆の十六日に、十三日の夕方に門前で麻幹(おがら)を焚いてお迎え
した精霊をふたたび火を焚いてお送りすることを申します。この風習は中世の頃から
行われ江戸時代に民間に普及したものだそうでございます。地方によっては違うよう
ですが現在行われている中では京都の大文字がよく知られており、盂蘭盆が終わる
頃もなれば 朝夕に秋の気配が漂い始めます。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「送火」をテーマとして
お精進送り火和え、くるみ豆腐信濃煮
無花果胡麻密だれ、生麩酢味噌、初秋茄子田楽
湯葉とろろ汁、お口すすぎは 大徳寺納豆 でございます。
今週は、年に2週のみの精進料理で初秋の精進料理です。 私達も年に一、二度は
心を澄まし、清らか気分で精進料理を酒の肴に賞味しながら祖先を憶い、自分を振
返る一刻が欲しいものでございますね。
奏楽シリーズ vol . 3
2008年8月09日
~ 爐談亭の空間と、バロック音楽で優雅な一刻をどうぞ ~
演奏 フルート 梶川純司
チェンバロ 中野洋子
曲目 M.ブラーヴェ フルート ソナタdーmoll
J.S.バッハ 小品など....
日 時 / 平成20年8月10日(日) 一の席 午後2時開席 / 二の席 午後5時開席
会 費 / 3.800円 (各回30席限定)観賞、生ビール or コーヒー or ジュ―ス含む
会 場 / 爐談亭 広島市中区胡町2-23 銀山町電停前もみじ銀行本店うら通り
082-247-1378
主 催 / 朴風の会 お問い合わせ,お申し込み先 080-1913-4513(伊藤)又は
090-1685-0052(梶川)
◆当日席もございますので、上記の爐談亭又は伊藤・梶川へお問い合わせ下さい。
◆ 尚、音楽会&絵画・展覧会&茶会などの各種文化活動に、爐談亭の空間を
当亭定休日(日曜祭日のみ)に ご利用頂いております。 詳しくは 爐談亭
亭主まで お問い合わせ下さいませ。 ( TEL 082-247-1378 三浦まで )
折り鶴
2008年8月05日
先日、若き陶芸家がご来亭下さり
原爆の子の像に捧げられる祈りの象徴「折り鶴」を手土産に頂きました。
被爆後の広島は、草木も生えず50年は人の住めない街と化すのではないか
とも言われましたが、しかし偉大な自然の力はその強い放射能をも浄化し、
緑多き街「広島」へと復興させてくれました。さて明日8月6日は「平和記念日」
世界各国そして日本全国から世界平和を願い集まられた大勢の人々・・・・・・
数年前の事だそうですが ・・・・・・
そのざわめきも過ぎ去った深夜の暗闇にゴザを敷き、静かに手を合せる老夫婦。
爆心地にたたずむ原爆ドーム周辺には 何故か静かな空気が流れていたそうで
これぞ「鎮魂 祈りの日」に相応しい あるべき姿ではないかと言い残し、
若き陶芸家は この備前焼「祈りの折り鶴」を手土産に置かれお帰りになられました。
合掌
備前焼工房 (サンワの森) 香山 佳輝
立秋
2008年8月04日
立秋は二十四節気のひとつで今年は7日を申します。立秋は夏至と秋分の丁度中間
にあたります。暦の上では、この日から秋に入り立冬の前日までを秋とし、立秋は季
節の区切りとされております。秋と申しましても秋とは名ばかりで尚も厳しい残暑が続
き古歌がむしろ立秋の季節感を伝えておりましょう。「秋来ぬと目にはさやかに見えね
ども風の音ぞ驚かれぬる」等と、この時節の気象上も夏型気圧配置が一時的に衰え
ることにより、雲や風の様相に秋の気配がしのびよってくるのが僅かながらも感じられ
るようでございますね。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「立秋」をテーマとして
鮎煮びたし、十三豆と蒸し鶏の胡麻和え
小芋安倍川、南瓜真薯青汁、穴子茗荷なます
沢煮椀汁、お口すすぎは すだち茶 でございます。
今日の出勤途中では「赤とんぼ」を見かけましたが、秋は早いと申しましても気持ちの
上でも炎暑の中に秋の気配を早く感じたい思いでございます。 盆の行事が一般に
月遅れの八月十五日前後に行われるので、行事上の秋は今日でも早いものでござい
ます。暦の上では秋とは申せ、まだまだ暑き日々が続き食欲の失せる頃ではござい
ますれば、今週の膳に「秋の気配」を感じて頂ければ幸いに存じます。






