夏越(なごし)
2009年6月29日
古くは六月と十二月のみそかに、罪、汚れを祓い清めた神事を「大はらい」といい、
十二月の年越と、六月のはらいを 夏越(なごし)の祓(はらえ)と申します。
夏越は、神意をやわらげる意味の和し(なごし)であるといわれ、この夏を無事健康
に越せるようにと六月三十日に行われるもので、古くは農家にとって田植え終了後の
いましめ又つつしむべき忌みの日でもあったようでございます。
この夏越では、茅の輪(ちのわ)という茅(かや)で作った輪形を拝殿や鳥居の所な
どに設け、神官がくぐった後に続いて参拝者もくぐって災厄をはらう「茅の輪くぐり」
や、また人形(ひとがた)の紙切れに身の災いを移し、川に流したりも致します。
今週の初の膳 / 酒の肴膳は、「夏越」をテーマとして
人形木の芽鴨味噌やっこ、茶魚そうめん、鱧ちくわ胡麻酢
水前寺海苔にしきぎ山葵風味、笹身の梅みょうが焼き
うなぎ肝汁、 お口すすぎは 桃茶 でございます。
私達も月日の流れにながされて今年も早や半年も過ぎ去さろうとしております。
この夏、皆様のご健勝を祈念申し上げます。
蛍狩り
2009年6月22日
私の子供時代には、初夏の夜には幻想的な螢狩で癒しの体験をしたものでございます。一時は農薬の為、螢の餌となる川蜷(かわにな)が姿を消し、螢も次第に見られなくなり、わずかに残された自然環境の中で健気に生きておりましたが、最近では農薬規制、また保護活動などにより生息環境も整い始め、蛍狩りの声を耳にするようになりました。
今週の初の膳 / 酒の肴膳は、「螢狩り」をテーマとして
ほたるいか黄身酢、若鮎揚せんべい
家猪梅煮、淡雪豆腐、紫じゃこめし
粟麩と瓜の味噌汁、 お口すすぎは、しそ茶でございます。
螢は、源氏蛍と平家蛍に代表されます。無数の蛍が入り乱れて飛ぶ情景を蛍合戦といい、宇治の蛍合戦は源の頼政の怨霊の現われとの伝説もございます。水辺の闇に
神秘的な光を明滅して乱れ飛ぶ 夏の優しの虫「蛍」のさまは、まさに初夏の風物詩と申せましょう。

花名 螢袋(ほたるぶくろ) 捕まえた螢をこの花の中に入れ花弁の先端を結び、
幻想的な螢光を楽しむと云う。古人は何んと風流な遊び心をお持ちのようでしたね。
入梅
2009年6月15日
暦の上では十一日が入梅。広島では先週 梅雨期に入ったとか。
梅の実が熟する頃の雨なので梅雨と申すそうですが、
古くは陰暦五月にあたるので五月雨 (さみだれ) とも云い
この時季に雨が降らない事を、空梅雨(からつゆ)とも申します。
いずれにせよ じめじめとした肌寒さを覚える日もあって、
誠にしのぎにくい月ではあります。しかし見様、考え様では風雅なもので
「五月雨や色紙へぎたる壁の跡」などと侘びに興じた芭蕉をしのび
いっそ「雨を楽しむ」と開き直り、五月雨の音を酒の肴にと洒落込むのも
結構なものかとも存じます。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「入梅」をテーマとして
海老の紫陽花揚げ、蜆と瓜雷干しの辛子酢味噌
青煮梅、新牛蒡香り炒り煮、空豆夏鴨真薯、
鰯つみれ汁、お口すすぎは、香煎茶です。
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巡るめく花の移ろいに誘われて、今週は梅雨の花「紫陽花」を亭内あちこちに配し、
酒の肴にお楽しみ頂ければと思います。下段は「隅田の花火」と云う額紫陽花です。
造り手と語り、魂の酒を飲む会 ・ 第四弾
2009年6月12日
女性杜氏今田美穂さんの醸す感性の酒「富久長の会」
今田酒造本店「富久長」東広島安芸津町 http://www4.ocn.ne.jp/~fukucho/
飲む人に感動を与える酒を醸したい、その一身で酒造りを一から勉強され
その熱意は今、女性ならではの感性のもと一生懸命に、そして丁寧に醸される
お酒には凛としてどこか優しさをも感じます。 この度は「百試千改」の情熱の酒
「富久長」を今田酒造杜氏今田美穂さんに 熱く語って頂きます。
日 時 平成二十一年六月二十四日(水) PM6:30~9:00
場 所 当 爐談亭
定 員 三十名 (お席に限りがございますので、ご予約はお早めに)
今回の真打 今田酒造本店杜氏 今田美穂さん
木戸銭 六千円 (酒代、料理代、語り代の全て込み)
お酒 今田酒造「富久長」蔵元セレクション
お料理 富久長とのコラボレーション料理をお楽しみ下さいませ。
主催/爐談亭 ご協力/(株)酒商山田・魂志会・(株)今田酒造本店
お申し込み・お問い合わせ先 082-247-1378 爐談亭 三浦
夏祭り
2009年6月08日
夏祭りは、五月の東京「三社祭」、京都は「葵祭」に始まり、広島では円隆寺の
稲荷大明神の祭礼通称「稲荷(とうか)さん」で本格的な夏を迎えます。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「夏祭り」をテーマとして
柿の葉祭り寿司、お稲荷なます、落花生豆腐、
うなぎの蓼味噌焼き、ぶんどう煮こごり
はも魚そうめん汁、 お口すすぎは、すだち茶でございます。
この円隆寺は修法師(しゅうほっし)によって護られ、旧暦五月五日(新暦6月初め)
を明神の祭日とし、祈祷会を行い災厄を祓うときなので、この日をとって厄払いの
祭りを行うことになりましたようです。稲荷(いなり)と書いて(とうか)と読みなぞらえ、
そもそもは10日に行われた祭りが、数年前より第一金土日に移り、現在に至って
おります。この時節にすれば真夏への切り替え時なので大正初年から この日を
真夏への「衣替え」とし、浴衣の着初めの習いとなったもので夏を健康に過ごせます
ようにと祈ります。この夏、皆様の御健勝をお祈り申し上げます。
氷の節句
2009年6月01日
六月一日は「氷の節句」。あまり親しみのないこの節句は、京都は北の郊外の奥山に
氷室(ひむろ)と云う地名があります。昔、この深山山中奥深くの洞穴室に冬中に貯
えておいた氷を六月一日になれば、宮中に献上したと申します。宮中人の役得でしょ
うか!?この日少しでもこの氷を口にすると夏痩せせぬとか、夏を無病息災に過ごせる
と伝わっておりますが、所が昔の事ですので一般庶民は貴重な氷は口にすることも出
来なく、せめて氷室神社の紋を象った外郎を食べて夏を健康に過ごせますように祈り
食した風習がございます。その紋たるや氷の結晶を意図した三角形の形をしており、
その形に小豆を散らした外郎を「水無月」と云い、現在でも六月の和菓子屋さんでは
代表的なお菓子のようです。
今週の初の膳 酒の肴膳は、「氷の節句」をテーマとして
氷室にこごり、酒魚と若布の緑酢和え、独活と京揚げの干辛煮
揚げ出し加茂茄子、地鶏と蓬麩の笹巻き蒸し、水無月豆腐汁
お口すすぎは、氷茶でございます。
広島では6月第1金曜・土曜・日曜の3日間通称「稲荷(とうか)さん」の夏祭りが始まり
ますが、丁度この頃は衣替えの時節でもあり、浴衣の着始めの習いでもありました。
この夏祭りや、夏越の祓えなど本格的な夏を前にして、「氷の節句」同様に この夏を
無事健康に越せますようにとの祈りからの行事でございます。






